金ナノ粒子(GNP;球形、ナノロッド、セラミックス被覆..)表面に励起される表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した光学デバイスの実用化が進んでいる.我々は,金ナノ粒子をシリカガラス層で薄くコーティングする技術を開発し、化学的に処理されたガラス基板上に自己組織化させることに成功した。シリカ層の厚さはナノオーダーでコントロールすることができ、これを量子力学的トンネル障壁とすることで、室温での単電子トランジスタ動作を発現させることもできる。また、基板上での微粒子の凝集ドメインサイズの制御から、さまざまな二次元配列パターンを作ると共に入射光周波数の二倍波変換に成功した(Adv.Mater., 2004年)。近年の取り組みでは、チタニア層で金ナノ粒子をコーティングする独自の手法を開発し、その光触媒作用を報告した(Chem.Lett., 2006年)。

また、陽イオン界面活性剤を用いてGNPを溶液中で連結する方法を開発し,連結したGNPGNP単体とは異なった光学特性を示すこと、また,連結GNPをシリカ被覆することで,その後の連結状態を調整できることを見出し、シリカ被覆した連結GNPの自己組織化膜について,Z-scan法による3次光学非線形感受率を報告した(J.Phys.Chem.C, 2008年)。

これらの機能は光波長変換、光スイッチング、光触媒、バイオセンサーなどへの応用が期待されている。